■ グラム陰性通性好気性桿菌
○    腸内細菌
エシェリキア と サルモネラ の相違
エシェリキア属　FHK7－
サルモネラ菌属　FHK3－
形態
G(－)の小型桿菌
鞭毛
周毛性
周毛性 ex
線毛
+(AEEC,EPEC,VTEC=(－))　＋
莢膜
＋
－
芽胞
－
－
性状
IMViC ３　COOF １
IMViC 10　COOF １
インドール
＋
－
MRエウテルペ下载反応
＋
＋
VP反応
－
－
クエン酸塩利用
－
＋ ex
H2S産生
－
＋ ex
カタラーゼ
＋
＋
オキシダーゼ
－
－
OFテスト
F
F
乳糖
＋
－
白糖
＋
－
硝酸塩還元
＋
＋
培養性状
通性嫌気性
普通寒天培地NA
37℃・15～18hrsで発育良好
円形・平滑・光沢コロニー
円形・透明・平滑コロニー
分離培地
SS寒天
発育阻害 胆汁酸による
黒
DHL寒天培地
ピンク
黒
マッコンキー培地
ピンク
透明
・ 補足
大腸菌の発育↓＝胆汁酸・ブリリアントグリーン・亜セレン酸・塩化マグネシウム
・
エシェリキア Escherichia：
E.coliの病原因子
病原因子
病変
家畜の大腸菌との関わり
侵襲性
大腸粘膜上皮に侵入してcell内で増殖。
潰瘍・壊死
猿・人の赤痢症（EIEC）
プラスミド支配（他の遺伝子も関与）
　
猿・人のみ。家畜では関与なし
　
EnteroToxin
Entプラスミドが関与し、F線毛と関連。
下痢作用 cf.機序は語彙問題
子牛の白痢症（ETECのST1）
易熱性LT・耐熱性ST cf.語彙問題の資料
新生豚の下痢症（ETECが関与）cf.詳細は「家畜別の毒素産生性」
接着因子
プラスミド性の線毛（F2～抗原）
・腸管の付着に関与
・initiminによる接着→AE病変→下痢便に出血
子牛の下痢症（ETECのF5）
新生豚の下痢症（ETECのF4.5.6.41）
豚の離乳後下痢（ETECのF4,18）
イニチミン（菌の外膜タンパク）AEEC VTEC EPEC
子牛の赤痢（VTECのイニチミン）
VeroToxin cf.語彙問題の資料
VTECの産生する溶原化ファージ支配の毒素。
血管透過性の亢進による浮腫・腸管出血性下痢。
豚の浮腫病（VT2）―→浮腫
VTAとVTB。
子牛の赤痢症（VT＋AE病変）
Vero cellやHero cellに作用して、これを壊死
牛の敗血症（VT1）―→ショック
牛の腸管毒血症（VT1や浮腫成分）
溶血毒
プラスミド由来。AE病変
細胞破壊・出血性腸炎
豚・牛の下痢?。豚の浮腫?
・ エンテロトキシン
    LT（heat-Labile Enteroxozin）
    ST（heat-Stable Ent.）
・ 新生豚の下痢症・豚の離乳後下痢症
            ST1のみ or LT1のみ
            LT1とST1の複合
            LT1とST2の複合        のいずれかで発症
・ 家畜別の毒素産生性
牛    STのみ / VTのみ        →新生子牛の大腸菌症（下痢症）
豚    ST+LT / LTのみ / STのみ    →新生子豚の大腸菌症・離乳後大腸菌症　下痢症
VTのみ / VT+STのみ    →浮腫病・脳脊髄血管症
なし            →敗血症
鶏    なし            →急性の敗血症

下痢性E.coli の種類
腸管毒素原性大腸菌ETEC：
・ 腸管上皮粘膜上皮に付着して、enterotoxin産生。
・ 粘膜上皮への損傷は、ない。
・ F2～F6のプラスミド性線毛抗原を有する。（F5,41―→
・ 牛の下痢症型（ST1・F5・F41）
新生豚の下痢症（ST1のみorLT1のみ／LT1とST1の複合／LT1とST2の複合 のいずれか＆F4.5.6.41）
豚の離乳後下痢症（ST1のみorLT1のみ／LT1とST1の複合／LT1とST2の複合 のいずれか＆F4.18）
腸管病原性大腸菌EPEC： AEEC・EAggEC以外
・ enterotoxin＆線毛はみられない。
・ 粘膜の上皮cellの微細絨毛が破壊され（AE病変**1）、菌は直接上皮cellに侵入。
・ 粘膜の炎症像が明らか。
腸管侵襲性大腸菌EIEC：
・ プラスミド性。赤痢菌に類似。
・ 大腸粘膜に侵入し、細胞内で増殖し、壊死・潰瘍を生じる。
・ 家畜での発生はみられない。
腸管出血性大腸菌VTEC or STEC or EHEC：
・ Vero毒素産生能を有し、溶原化φの支配。ファージ変換。
・ 局所感染を起こす。線毛なし。
・ eae遺伝子を保有し、AE病変を起こす。
・ 豚の浮腫病（VT2）・牛の敗血症型（VT1）・牛の腸管毒血症（VT1＆浮腫成分）・子牛の赤痢症（VT＋イニチミン）
腸管接着性微絨毛消滅性大腸菌AEEC：
・ 豚の離乳後下痢に関与。AE病変。
腸管凝集性大腸菌EAggEC：
・人の下痢で、詳細は不明
「家畜別の大腸菌症」の資料もチェック
・
サルモネラ Salmonella：
・ 血清型別について
・ 血清型別は、「O型：H1型：H2型」の順で記述。血清型別により一定の動物宿主域があり、4に分けられる。Ex. S.Typhisuis（子豚のパラチフス）＝6,7：c：1,5
O型＝菌体抗原。耐熱性（100℃で2時間）。
H型＝鞭毛抗原。hin遺伝子の方向により、H1とH2型遺伝子の発現が可逆的に相変異する。H1とH2型抗原は、交互に、かつどちらか片方のみ出現する。。
・ 家畜家禽に病原性を示す代表的な血清型とその疾病
家畜    血清型            疾病名    　
牛    S.Dublin            牛のパラチフス
    Typhimurium
    Enteritidis
馬    S.Abortusequi        馬のパラチフス
豚    S.Choleraesuis        パラチフス（急性敗血症）
    S.Typhimuriumi        パラチフス（慢性腸炎）
鶏    S.Gallinarum-Pollorum    雛白痢・鶏チフス
・ シゲラ Shigella：
    IMViC        2
    OF        O（ガス非産生）
    アドニット    －
    HFK        H-
    H2S        －
・ シゲラ属菌の4菌種と疾病名
    菌種        疾病名   
    S.dysenteriae    志賀    -赤痢
    S.flexneri    Flexner    -赤痢
    S.boydii        Boyd    -赤痢
    S.Sonnei        Sonne    -赤痢
・エドワージエラ Edwardsiella：
{省略}

・エルシニア Yersinia：
4つの生物型と生化学的性状と諸々
Yersinia
Pestis
pseudotuberculosis
enterocolitica
Ruckeri
症状
ペスト
仮性結核＋→
エルシニア症
赤口症
感染動物
人・齧歯類
齧歯類＋→
豚・齧歯類・犬・人
鮭科魚類
病気
敗血症・リンパ節炎・出血性肺炎
敗血症・下痢・削痩・結核結節様病変＋→
胃腸炎・関節炎・食中毒
充出血斑
Ind
-
-
d
-
MR
+
+
+
+
VP
-
-
-
-
Cit
-
-
-
+
VP25
-
-
＋
ｄ
Mot
-
-
-
-
Mot25
-
＋
＋
ｄ
Urease
-
+
+
-
H2S
-
-
-
-