大切なことはすべて君が教えてくれた 第1話
『始まりの朝』
上村夏実(戸田恵梨香)は、私立明稜学園高等学校の英語教師。
中学までアメリカで暮らした経験を持つ夏実は、教師になることが夢だった。
1年生のクラス担任で、バスケットボール部の顧問を務めている夏実は、
明るく前向きで、サバサバとした性格ゆえ、生徒たちからも慕われていた。
柏木修二(三浦春馬)は、夏実の同僚で2年生のクラス担任を務める生物教師。
修二は、真面目で思慮深く、物事を真剣に考えるタイプで、常に自分の言葉で
生徒たちと接するその姿勢は、生徒はもちろん、保護者たちからも絶大な支持を得ていた。
高校?大学の同級生だった夏実と修二は、3ヵ月後に結婚式を挙げる予定だった。
結婚式は、ふたりの大学時代の同級生で、いまも夏実とルームシェアしている
人気ウエディング?プランナーの東堂さやか(篠田麻里子)が手がけることになっている。
夏実も修二も、同僚や生徒たちから結婚を祝福され、幸せを実感していた。
新学期が始まる朝8時、目を覚ました修二は目覚まし時計をチェックし飛び起きる。
上半身裸なことに少し驚く修二。
「ヤバイヤバイ。昨日いつ寝たんだ?
 シャワーだシャワーシャワー!???時間がない。ダメだ。」
急いで着替えた修二は、女性ものの服が脱ぎ捨ててあることに気づく。
ベッドを見ると、誰かが寝ている。
それは???見知らぬ若い女性だった。
「???誰!?」
女性が目を覚ます。
「あの???君は?」
「???」
「え???」
女性は真っ裸だった。
「ごめん、あの、えっと??覚えてないわけじゃないんだ。
 覚えてるよ??覚えてるんだ。
 その???
 あ???今は、ごめん!」
顔を洗い、歯を磨きながら修二は考える。
「???誰!?やったのか!?
 ???いや、とにかく出よう。」
「逃げるわけじゃないんだ、
 ただ、今日は大事な日で。
 悪いけど、僕は、とにかく出なきゃいけなくて。
 君とも、ちゃんと話さなきゃいけない状況だけど、
 ごめん。これ???。
 外のポストに入れておいてくれる?」
部屋の鍵を女性に渡す修二。
女性が伸ばした左腕には、やけどの跡があった。
「???それじゃあの??あと、よろしく。」
修二は女性を残し、あわてて部屋を出ていく
「ヤバイ。ヤバイ、ヤバイよ。
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 名前も知らないそんな子と会っていきなりって
 俺、一度もないし。
 あっ。夢か?
 ???んなわけないだろ。何で覚えてな
いんだ?
 どうしよう。あの子、意外に若いな。」
自転車で職場へと急ぐ修二。
その時修二の携帯が鳴る。
「???はい。」
「ちょっと起きてる?今どこ?」と夏実。
「あっ??ああ。大丈夫。今向かってるから。」
「さっきも鳴らしたのよ。昨日変だったから気になって。
 実家の方、お兄さん大丈夫だった?」
「???ああ。」
「???」
「ごめん。遅れそうだから、またあとで。」
「分かった。焦って事故んないでよ。
 悲劇の花嫁とか嫌だからね。」
「ハハッ。了解。」
「何万回も青信号で踏み出し、
 赤信号で止まるということを
 繰り返してきた。
 それなのに人は、時として赤信号で飛び出していく。
 赤は駄目だと分かっているのに、
 過ちを犯す。
 人間は、後悔する生き物だ。」
修二は、夏実に対する罪悪感や後悔の気持ちを必死に抑え、平静を装って登校する。
職員室には、教の鶴岡悟司(風間杜夫)をはじめ、2年生の学年主任で
2組の担任を務める中西佳史(西村雅彦)や3組の担任?金子雅代(能世あんな)らの
姿があり、慌しく新学期の準備をしていた。夏実も1年生の担任たちと打ち合わせ中だった。黑之契约者第二季op
鶴岡から保護者から電話があったと聞き一瞬ビクっとする修二。
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電話の内容は、修二を担任にしてほしいという電話だったが、夏実は修二の動揺に
気づいていた。
「何でびくびくしてたの?」
「え?」
「さっき。」
「だって、保護者から電話なんて言われたら、クレームだと思うだろ?」
「大丈夫よ。修二は自分で思っているよりいい先生なんだから。」
生徒たちが仲の良い二人を冷やかす。
堂々とのろける夏実。
「私たちってラッキーだよね。
 ああ言ってくれる生徒たちに感謝しないといけないよね。」
「うん。」
2年1組の生徒、平岡直輝(菅田将暉)、加川涼子(広瀬アリス)、
児玉賢太郎(中島健人)、渡辺優奈(石橋杏奈)らは、皆、修二のクラスに
なったことを喜んでいた。
2年1組の教室
修二が教室のドアを開けると、夏輝がバスケットボールを投げる。
それをキャッチし、ダンボールにシュートする修二。
「おぉぉぉっ!」と生徒たち。
「平岡、だよな?
 教室ではボールを投げない。
 小学校でも言われたろ?」
「???言われました。」
「とか言いつつ、実はさっき平岡に頼んだんだよね。
 新しいクラスだから、最初にカッコいいところ見せたいって。
 な、平岡?」
「は!?」
「平岡、サン
キューな!」
「い??いや??。」
「急に、君たち2年生の担任になったからちょっとね。
 僕も早く馴染みたくて。
 1組担任の、柏木修二です。
 楽しく、やっていけたらと思います。よろしくね。」
「よっ!」
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生徒たちが拍手を送る。
修二は初日で生徒たちの心をガッチリつかみました。
そして修二は生徒たちの名前、特技をすべて覚えていました。
出席をとるった修二は、佐伯ひかり(武井咲)と園田望未(剛力彩芽)がまだ
登校していないことを知る。
するとそのとき、ひとりの女生徒が遅れて教室に入ってきた。ひかりだった。
修二は、始業式が行われる体育館に移動するよう、生徒たちに指示した。
そのとき、最後まで教室に残っていたひかりは、ふいに修二を呼びとめると、
手の中にあったものを見せた。それは修二の部屋の鍵だった。
今朝まで一緒だった女性がひかりだと理解した修二は、言葉を失い、
ただ呆然と彼女を見つめ…。
「佐伯ひかりは、昨日の女なのか?
 違いすぎる。顔も髪型も???。
 ???何やってんだ。しかも、生徒!?
 ???やっぱり、そうなのか?
 今が最高、とばかりに咲き誇っていた満開の桜は、
 ほんの少しの風であっという間に散ってしまう。
 僕は???春の風に怯えた。」
昨日の女、ということは、会ったことは覚えてるんですね。
夕方、ひかりは、通院している大学病院にいた。
「どうした?薬、まだあるよね。」看護師の水谷亜弥(内田有紀)が尋ねる。
「ごめん。外来の時間じゃないのに。」
「ああ、いいのいいの。今日から学校でしょ?」
「うん。」
「何か、心配事?先生呼ぼうか。」
ひかりは首を横に振る。
「ねえ、亜弥さん。」
「うん?」
「???私ね。」
「???」
「???したの。」
「うん?」
「私???セックスしたの。」
「???」
「ちゃんとね、血が出たの。いいことだよね?
 先生に言わないと治療に影響する?」
「???たぶん、大丈夫だと思う。
 数値も変わらないんじゃないかな。
 でもさ、どうして言えないのかな?
 ひかりちゃんにとっては、言えないことじゃないでしょ?」
「???」
「こういう日が来たら私は、???私たちは心からひかりちゃんを
 祝福してあげたいって、思ってきたのよ。」
亜弥はひかりの手を握り締めるが、ひかりは手を引っ込めてしまう。
「あ??でも???
 私にだって、言いたくないことはあるよ。」
「???ひかりちゃん。」
家に帰った修二は、ポストの中を確認
する。
ひかりに渡した鍵は入っていなかった。
部屋の鍵は開いていた。恐る恐る入ってみるが、部屋には誰もいなかった。
修二の携帯が鳴る。
夏実に呼び出された修二。
「てかさぁ、鍵掛けないで家出ちゃうって、どんな神経!?」
「寝坊して、慌ててたからさ。」
「鍵失くしたっていつ気づいたの?」
「朝、出るとき。」
「ふーん。」
「キーホルダー、壊れてて、家の鍵だけなくて。」
「???」
「昨日の夜、コンビニ行くとき鍵掛けないで出て、 
 たぶん、その時落としたか何かで。」
「???鍵掛けようよ。」
夏実は合鍵で作った鍵を修二の掌に乗せ、手を繋いで歩き出す。
「大丈夫かなぁ、こういうの旦那様にして。」
「ごめん。わざわざ。
 寒いだろ?」
「まあいいんだけどさ。スペアキー私が貰っちゃってたし。
小酒窝粤语版 お花見も、まだしてなかったしね。」
夜桜を見上げる二人。
「教師ってさ、3月から4月って忙しいじゃない?
 二人でこうやって、桜見たことなかったよね。」
「うん。」
「来年からは、毎年二人で見れるんだね。」
「そうだな。」
「綺麗???。」
「うん。」
修二の肩にもたれ掛かりながら、夏実は幸せそうに微笑んだ。
あくる日、修二は、中西とともに望未のアパートを訪れる。
望未の元担任でもある中西は、クラスの生徒たちから、繁華街でコスプレを
した望未の姿をよく見かける、という話を聞いたのだという。
その際、修二たちは、望未の家に借金取りが押しかけているところを目撃する。
望未は特待生でしっかりした生徒だが、父親が金銭トラブルを抱えて家を出て
しまっているらしい。
二人は明日出直すことにした。
「ああいう家庭状況だから助けてあげたい」と中西先生。
恋心抱いてたりはしない!?
翌日、バイトを辞めた望未が登校する。
「あ??おはよう。」ひかりが望未に挨拶する。
「あーーーっ!!おはよう!!
 何!?このクラス!?」ひかりに抱き着く望未。
「うん。」
望未の席はひかりの後ろだった。
「佐伯ひかり。元3組。」
快乐大本营 宋茜「園田望未。1組。中西のクラス。」
二人は名前を教え合うと嬉しそうに笑いあう。
「ひかりとのぞみって、何か???」と涼子。
「東海道新幹線!
 のぞみ、ひかり、こだま。」と賢太郎。
「こだま!!」涼子が賢太郎を指さす。
「はい。児玉です。児玉賢太郎です。」
「のぞみ、ひかり、こだま!アハハ!すっげぇ!」涼子は大笑い。
名前を知らなかった二人
は、どこでどう繋がっているのか。
望未の境遇とひかりの境遇は似ているとか?
休み時間、トイレに誰もいないことを確認してから薬を飲むひかり。
ポケットの中の鍵に気づいたひかりは、それを見つめ???
突然立ちくらみに襲われる。
「何!?どうしたの!?
 どうしたの?大丈夫?」
偶然通りがかった夏実がひかりを助け起こす。
夏実の教室?
「少しは良くなった?」ひかりを気遣う夏実。
「???」ひかりは無言でうなずく。
「無理しないで、早退してもいいんじゃない?
 2年生?何組?」
「1組です。」
「そう。」
「佐伯、ひかりです。」
「佐伯さん。
 連絡してあげようか?それか保健室に。」
「大丈夫です。」
「そう?じゃあゆっくり休んでいって。」
「???英語ばっか。」
「まあねえ。
 これだけ例外?」
バスケットボール部の顧問になり、漫画スラムダンクで勉強中の夏実は
漫画を夏実に見せて微笑む。
ひかりは分厚い本を見つめていた。
「あ、こんな読まないわよ。
 これはね、桜。綺麗でしょう?」
押し花にした桜の花を見せる夏実。
「???」
「あ、顔に似合わず少女趣味だとか思ってるでしょう!」
「いえ??」
「いい思い出って、意外にすぐ忘れちゃうじゃない?
 記憶が変わったり???都合のいいように変えちゃったり。
 だから、形にして残しておこうと思って。
 何かあっても、またすぐに思い出せるように。」
「???その思い出は、柏木先生との?」
「それは内緒!
 あ、マニキュア。ちゃんと取れてないね。」
「???」
「高校生なんだし、マニキュアぐらいしたいよね?
 そりゃバラだのリボンだのついてたら勉強できないけどさ。
 ちょっとぐらいいいと思うよ、私はね。」
自分の除光液でひかりのマニキュアを落とす夏実。
「綺麗な指ね。細くて白くて。
 若いっていいなぁ。」
「???先生の方が??先生の手の方が、ずっと綺麗。」
「そう?ありがと。」
「???あの。」
「うん?」
「もう大丈夫です。ありがとうございました。」
ひかりが教室を出ていく。
そんな折、2年1組の田口和孝(永嶋柊吾)、川本万里(石橋菜津美)の
双方の母親が学校にやってくる。
和孝と万里は交際しており、家族の留守中にセックスをしていたというのだ。
母親たちは、ふたりの交際は認めてあげたいと思いつつも、こうした問題に
どう対処すればいいか思い悩んでいた。
和孝は、「何で柏木先生と上村先生はよくて、僕たちはダメ